推しと推し活文化とは?
推し:動詞「推す」から派生した言葉で、自分が最も応援・支持している対象、いわば“最推し”を意味します。
推し活:単なるファン活動を超え、自分の「推し」を中心に消費・時間・アイデンティティを投資する行為全体、いわゆる“推し活”を指します。
こんにちは。
有益なマーケティングインサイトをお届けするSpray&Jerry&Beanstalkのマーケター、ルナです。
グローバル市場進出を検討しているブランドであれば、日本市場を一度は優先的に検討されたことがあるでしょう。
日本は伝統的に広告に対して慎重な市場ですが、信頼できる推薦や体験ベースのコンテンツには前向きに反応する消費者文化を持っています。
こうした特性の中で、近年は消費財企業を中心に、インフルエンサーコンテンツがブランド認知向上にとどまらず、実際の購買へとつながる事例が着実に増加しています。
ただし、韓国と同じ方法でアプローチした場合、期待通りの成果を得ることは容易ではありません。
チャネル選定からインフルエンサータイプ、協業方法、成果測定基準に至るまで、日本市場特有の特性と消費者行動を十分に理解することが重要です。
本記事では、日本インフルエンサーマーケティング市場の全体像をはじめ、効果的なチャネル戦略、そして実務ですぐに活用できるプロセスまでを一括で整理します。
日本のインフルエンサーマーケティング市場は、ここ数年で急速に拡大しています。
サイバー・バズ(Cyber Buzz)とデジタルインファクト(Digital In Fact)の調査によると、2025年の日本インフルエンサーマーケティング市場は前年比116%増の860億円(約5億7,000万ドル)に達すると予測され、2029年には1,645億円(約10億9,000万ドル)規模へと拡大する見通しです。
このような市場拡大の流れとともに、インフルエンサーは単なるエンターテイナーを超え、消費者が購買判断の際に参考にする情報源としての存在感を高めています。
ヨーロッパのデジタルマーケティングエージェンシー「AWISEE」の調査によると、日本の消費者によるインフルエンサーコンテンツへの信頼度は、過去5年間で継続的に上昇しているとされています。
具体的には、2021年に約58%だった信頼度が、2025年には70%まで上昇したことが明らかになりました。
この数値は、特にビューティー・食品・生活用品などの消費財カテゴリーにおいて、インフルエンサーコミュニケーションが認知向上を超えて、信頼形成および購買意思決定に影響を与え得ることを示唆しています。
では、このような日本市場で効果的にマーケティングを展開するために注目すべきチャネルは何でしょうか?
オンラインチャネルの中で、日本で最も影響力のあるプラットフォームはInstagramです。
日本国内では月間3,300万人以上がアクティブに利用しており、特に10〜30代女性ユーザーの比率が高いのが特徴です。
ビジュアル中心のプラットフォーム特性から、ライフスタイル・ビューティー・ファッションなど、感覚的なストーリーテリングが求められるブランドに適したチャネルと評価されています。
次に注目すべきプラットフォームはYouTubeです。
月間アクティブユーザー数は約7,000万人に達する大型プラットフォームで、特定の年齢層に偏らず、全世代に幅広いリーチを持っています。
ロングフォームコンテンツに強みを持つ媒体であるため、商品の機能や使用シーンを詳細に説明したり、ブランドストーリーを深く伝えたりするのに効果的です。
情報の正確性と信頼を重視する日本市場において、こうした特性は特に強みとして機能します。
日本市場で注目すべきもう一つのプラットフォームが、X(旧Twitter)です。
政治家や芸能人はもちろん、多様な関心領域に基づくコミュニティやファンダム文化が活発に形成されており、リアルタイムでの情報拡散に強みを持つ国民的プラットフォームとして定着しています。
迅速な更新と共有構造により、短時間でコンテンツが急速に拡散する可能性があるため、話題性重視のキャンペーンやトレンド創出を狙う施策に有効です。
日本市場で有意義な成果を創出するためには、オンラインマーケティングだけでなく、オフライン流通チャネルの重要性も見過ごせません。
日本の消費者は依然として商品を直接見て、触れて、体験するプロセスを重視する傾向があり、この消費特性に支えられ、日本のオフラインリテール市場は現在も活発に維持されています。
代表的な日本のオフライン流通チャネルとしては、Don Quijote、LOFT、PLAZA、Tokyu Hands、@cosme Storeなどが挙げられ、それぞれ明確なポジショニングと主要ターゲット層を持っています。
そのため、日本市場進出を検討するビューティーブランドであれば、自社ブランドの特性とターゲット消費者のライフスタイルに最も適合する流通チャネルを戦略的に選択することが極めて重要です。
ブランド戦略に合ったチャネルを定めたら、次のステップはその戦略を効果的に実行できるインフルエンサーの選定です。
単に「どのようなイメージのインフルエンサーが適しているか」を定義する前に、まずどの層のインフルエンサーを活用するかを決定することが重要です。
ブランドの目標やキャンペーン目的に応じて適切なタイプを選ぶことが、成果にも直結します。
一般的にインフルエンサーはフォロワー規模に応じてナノ、マイクロ、メガに分類され、それぞれ明確な特徴とメリット・デメリットを持っています。
このうちナノ/マイクロインフルエンサーは、数千〜数万人規模のフォロワーを有しています。
フォロワー規模は大きくありませんが、日常的なコミュニケーションを通じてフォロワーとの距離が近く、コンテンツへの信頼度やエンゲージメント率が高い傾向にあります。
規模対比で効率が高く、予算観点でのROIも優れているため、新商品テストやメッセージ検証など、市場参入初期段階のキャンペーンに適しています。
特に信頼と実体験を重視する日本市場では、誇張表現よりも個人の体験に基づくコンテンツを制作するマイクロインフルエンサーの影響力が際立ちます。
こうしたコンテンツは日本の消費者に自然に受け入れられ、認知向上を超えて実際のコンバージョンへとつながる可能性が高いという点で、戦略的価値が高いといえます。
一方、メガインフルエンサーやセレブリティは、数十万〜数百万人規模のフォロワーを持ち、短期間で広範なリーチを確保できるという強みがあります。
この特性から、新商品ローンチやブランドリブランディングなど、短期間で大規模な露出と認知拡大が必要なキャンペーンに活用されます。
ただし、メガインフルエンサーやセレブとの協業は費用が高額になりやすく、大規模露出が実際の購買転換にどの程度つながるかを予測しにくいという課題もあります。
そのため、露出よりも効率重視の運用が求められる場合には慎重な判断が必要です。
日本市場には特に注目すべき独自のインフルエンサータイプがあります。
それが「VTuber(Virtual YouTuber)」です。
VTuberとの協業が日本市場で効果的に機能する理由は、ファンとの関係構造にあります。
VTuberはリアルタイム配信を中心にファンと継続的に交流し、一般的なインフルエンサー以上に深い絆を形成します。
さらに日本にはいわゆる「推し活(おしかつ)」文化が根付いています。
これは特定の人物やキャラクター、すなわち「推し」を中心としたファン活動を指し、単なる応援を超えて消費行動にまで発展するのが特徴です。
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推しと推し活文化とは?
推し:動詞「推す」から派生した言葉で、自分が最も応援・支持している対象、いわば“最推し”を意味します。
推し活:単なるファン活動を超え、自分の「推し」を中心に消費・時間・アイデンティティを投資する行為全体、いわゆる“推し活”を指します。
ファンは自分が応援するVTuberの推薦や使用体験に高い信頼を寄せ、実際にそのVTuberが使用している商品を追随購入する傾向が強く見られます。
このような消費文化により、VTuberとの協業は単なる露出を超え、実質的な購買転換につながる可能性が高く、日本市場特有の有力なインフルエンサー形態といえます。
マーケティングチャネルとインフルエンサー戦略を定めたら、実際のキャンペーン進行ではどのような点を確認すべきでしょうか?
インフルエンサーのキャスティングおよび継続的なコミュニケーションによるコンテンツ調整は、実行段階の中でも最も多くのリソースが投入される領域です。
単なる協業提案にとどまらず、ブランドに適したインフルエンサーを発掘し、実際に協業を成立させること自体が大きなハードルになるケースも少なくありません。
特に日本市場への理解が十分でない国内ブランドの場合、インフルエンサープールをゼロから構築する必要があり、多数のアカウントの中から実際に影響力と適合性を兼ね備えた人材を選定する過程で困難に直面しがちです。
その結果、キャンペーン準備段階で不要な時間や人的リソースが消耗されることもあります。
こうした状況では、市場に出ているシーディングソリューションやインフルエンサーマッチングツールを活用し、初期リストアップ工程を効率化することが有効な代替策となります。
反復的なリサーチにかかるリソースを削減し、その分、協業戦略設計やコンテンツ品質向上といった本質的領域に集中できるためです。
提案メッセージを送るインフルエンサーをリストアップしたら、いよいよ本格的に協業提案を行う段階です。
この際、特にコミュニケーション方法に注意が必要です。日本のインフルエンサーとのやり取りでは、内容と同様にトーン&マナーが重要視されます。
直接的で要求を強調する表現よりも、間接的で配慮ある丁寧なトーンを維持することが望ましいです。
提案意図を明確に伝えつつ、相手の判断と選択を尊重する姿勢が信頼構築につながります。
また、信頼を重視する日本市場の特性上、初期提案段階から過度に広告色の強いコンテンツを求めることは、かえって負担となる場合があります。
過度に商業的条件を強調すると、インフルエンサーが協業自体を敬遠し、提案を辞退する可能性もあります。
そのため、協業の方向性や期待値は提示しつつ、コンテンツ構成について一定の裁量を残すアプローチがより効果的です。
インフルエンサーがコンテンツ制作を完了したら、投稿前のチェック工程は必須です。
特に消費者との信頼関係を重視する日本市場では、コンテンツのトーンや表現方法がキャンペーン成果に直結します。
広告色が強すぎるコンテンツは消費者の反発を招く可能性があるため、全体のトーンを事前に確認し、必要に応じて調整することが重要です。
単なる表現修正にとどまらず、ブランドメッセージが自然に溶け込んでいるか、インフルエンサーの既存スタイルと不自然に乖離していないかも併せて確認するとよいでしょう。
さらに、「ステルスマーケティング」に対する消費者意識が一層厳格化しているため、広告表記の有無も必ず確認すべき要素です。
協賛や広告であるにもかかわらず明確に表示しない場合、ブランドおよびインフルエンサー双方の信頼低下というリスクにつながります。
そのため、投稿時に広告表記が関連ガイドラインに沿って適切に反映されているか、慎重に確認することが重要です。
これまで見てきたように、日本インフルエンサーマーケティングを円滑に実行するには、現地市場の文脈を正確に理解することが不可欠です。
チャネルやインフルエンサー選定の初期段階から、実際の協業コミュニケーションに至るまで、日本市場特有のトーンと文化的背景を踏まえることで、より効果的なマーケティングが実現できます。
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